「お客様とのやり取りがメールやチャット、Excelに散らばっていて、誰にいつ連絡したか分からなくなる」「商談の進み具合を、担当者の頭の中でしか把握できていない」——そんな悩みに応えるのが、顧客情報や商談の状況をひとつの画面にまとめて管理するCRM(顧客管理システム)です。
CRMは、営業チームや店舗、小規模な会社など、法人・チームでの利用を主に想定したツールです。個人事業主やフリーランスの方も、無料プランがあるツールなら試せます。最近のCRMは、単なる顧客リストにとどまらず、AIが商談の準備や記録の要約、次にやることの提案まで手伝ってくれるものが増えています。この記事では、日本語の公式サイトがある代表的な4つのツールを比較し、目的に合った選び方を紹介します。
AI CRM・顧客管理ツールの活用シーン
AI CRM・顧客管理ツールは、次のような場面で使われています。
- 問い合わせ・見込み客の管理: メールやフォームで届いた問い合わせを一か所に集め、対応漏れを防ぎたい場面で使われます
- 営業の進捗管理: 商談ごとの状況を「見込み→提案→契約」のように段階で見える化したい場面に向いています
- フォローの自動化: 一定期間連絡がない顧客に、メールやタスクで自動的に知らせたい場面で活躍します
- 顧客対応の履歴共有: 担当者が変わっても、過去のやり取りをすぐに確認できる状態にしたい場面でも使われています
- 個人事業主・小規模チームの顧客管理: Excelで管理している顧客リストを、無料や低価格のツールへ移したい場面に向いています
AI CRM・顧客管理ツールでできること
一般的な顧客リストとは異なり、AI CRM・顧客管理ツールには次のような機能が備わっていることが多いです。
- 顧客・商談情報の一元管理: 連絡先、やり取りの履歴、商談の状況をひとつの画面にまとめる機能です
- パイプライン(商談の進捗)管理: 商談を段階ごとに並べ、どこで止まっているかを見える化する機能です
- メール・カレンダーとの連携: 送受信したメールや予定を、顧客の履歴に自動で記録する機能です
- AIによる支援: 商談前の情報整理、やり取りの要約、営業メールの下書きなどをAIが手伝う機能です
- レポート・ダッシュボード: 売上の見込みや活動量を、グラフで確認する機能です
無料プランや無料トライアルで試せるツールが多いですが、ユーザー数や登録件数に上限があります。
早見比較表
| HubSpot | Zoho CRM | Pipedrive | Salesforce | |
|---|---|---|---|---|
| 得意なこと | 無料CRMから始めて営業・サービスなどへ広げやすい | 低価格帯から選べる・日本にデータセンターがある | 営業の進捗を見やすく管理できるパイプライン画面 | 公式サイトで「世界No.1のCRM」と紹介・拡張性 |
| 無料での利用 | 無料CRM(2ユーザー・1,000コンタクトまで、期限なし) | 無料プラン(3ユーザーまで、期限なし) | 無料プランなし(14日間トライアル、カード不要) | 無料で始められる案内あり(トライアル日数は明記なし) |
| 最安有料プラン | Sales Hub Starter 年払い¥840/シート/月〜(通常価格¥2,400) | スタンダード 年間契約¥1,760/ユーザー/月・月間契約¥2,520 | Lite 年払い$14/シート/月・月払い$24 | Starter Suite ¥3,000/ユーザー/月〜 |
| AI機能 | Breezeアシスタント(ベータ版)は無料ツールに含まれる | Zia(AIアシスタント)はエンタープライズ以上 | 会議インテリジェンス機能「Nova」を標準搭載と案内 | ターンキーAIを搭載と案内 |
| 表示通貨 | 円(日本語サイト) | 円(通貨切り替え可) | 米ドル | 円(日本語サイト・通貨切り替え可) |
※料金は2026年9月時点の情報です。プラン内容は変更される場合があるため、最新の料金は必ず各公式サイトでご確認ください。4ツールとも、日本語の公式サイトがあります。
HubSpot — 無料CRMから始めて、営業やサービスへ広げたいなら
HubSpotは、無料のCRMから使い始め、営業・マーケティング・カスタマーサービスなどへ機能を広げていけるツールです。日本語の公式サイト(hubspot.jp)があり、ナレッジベースやコミュニティも日本語で利用できます。
無料のCRMは、最大2ユーザー・1,000コンタクトまでで期限なく使えます(顧客データの件数は無制限)。コンタクトや取引の管理、メールの追跡、ミーティング予約、ウェブチャット、見積書の作成に対応し、AIアシスタント「Breezeアシスタント(ベータ版)」も含まれます。営業向けのSales Hubの料金は、Starterが年払いで¥840/シート/月(通常価格¥2,400、月払いは¥1,200)、Professionalが年払いで¥10,800/シート/月(通常価格¥12,000)、Enterpriseが¥18,000/シート/月からです。ProfessionalとEnterpriseには、1回限りの導入支援費(それぞれ¥180,000・¥420,000)が別途必要と明記されています。同じ公式サイト内でも、無料CRMの案内ページでは「Starter 月額1,800円から(新規契約のお客さまのみ)」と表示されるなど、ページによって金額が異なる場合があります。
※料金は2026年9月時点の情報です。日本語サイトでは円建てで表示されます。
こんな人におすすめ
- まず無料でCRMを試し、必要になったら有料プランへ広げたい人
- 日本語のナレッジベースやコミュニティを活用したい人
- 営業だけでなく、マーケティングや顧客対応もいずれ一元化したい人
Zoho CRM — 低価格帯で幅広い機能を使いたいなら
Zoho CRMは、月額1,760円から使える有料プランと、3ユーザーまで永久に無料で使えるプランを用意しているCRMです。日本語のUIに対応し、日本にデータセンターがあります。スタンダード以上の有料プランでは、日本語のサポート窓口も無料で利用できます。
有料プランは、スタンダード(年間契約¥1,760・月間契約¥2,520)、プロフェッショナル(¥3,260・¥4,960)、エンタープライズ(¥5,660・¥7,080)、アルティメット(¥7,360・¥9,200)の4段階で、金額はいずれも1ユーザーあたりの月額です。AIアシスタント「Zia」はエンタープライズ以上に含まれます。初期費用やオプション費用は発生しないと案内されています。全機能を15日間試せる無料トライアルがあり、期間が終わると無料プランに自動で切り替わります。
※料金は2026年9月時点の情報です。日本語サイトでは円建てで表示され、通貨は切り替えも可能です。
こんな人におすすめ
- できるだけ低い月額で、CRMの基本機能を使い始めたい人
- 日本のデータセンターや、日本語のサポートを重視する人
- 少人数のチームで、無料プランから試してみたい人
Pipedrive — 営業の進捗を見やすく管理したいなら
Pipedriveは、商談を段階ごとに並べたカンバン形式の画面で、営業の流れを見える化することに強みを持つCRMです。日本語の公式サイトがあり、500以上のアプリと連携できると案内されています。会議インテリジェンス機能「Nova」を標準搭載としており、通話前の情報整理、通話の自動文字起こし、通話後の要約とCRMへの更新案の作成に対応します。
料金プランは、年払いでLiteが$14、Growthが$39、Premiumが$59、Ultimateが$79(いずれも1シートあたりの月額)、月払いではそれぞれ$24・$49・$79・$99です。無料プランはなく、クレジットカード不要の14日間の無料トライアルが用意されています。年間400ドル以上のプランに登録すると、実装は無料と案内されています。LeadBoosterなどのアドオンは別料金です。
※料金は2026年9月時点の情報です。日本語サイトでも米ドル建てで表示されます。
こんな人におすすめ
- 営業の進捗を、画面で直感的に確認したい人
- 通話や商談の記録を、AIに整理してもらいたい人
- 無料プランはなくても、トライアルで操作感を確認してから決めたい人
Salesforce — 世界的に導入されているCRMを小規模から始めたいなら
Salesforceは、公式サイトで「世界No.1のCRM」と紹介されているCRMで、中堅・中小企業向けに「Starter Suite」と「Pro Suite」を用意しています。日本語の公式サイト(セールスフォース・ジャパン)があります。
料金プランは、Starter Suiteが1ユーザーあたり月額¥3,000から(月単位または年単位の請求、登録ユーザー数の上限なし)、Pro Suiteが月額¥12,000から(年単位の請求で契約が必要)です。ターンキーAIを搭載しているとされ、営業フローやリードの自動割り当て、メールの育成キャンペーンなどが含まれます。表示価格は最低価格で、取引手数料がかかる旨が明記されています。上位のSales Cloud Enterprise(¥21,000/ユーザー/月、年単位の契約)では、AIエージェント機能「Agentforce」が案内されていますが、利用できるクレジットには制限があります。
※料金は2026年9月時点の情報です。日本語サイトでは円建てで表示され、通貨は切り替えも可能です。
こんな人におすすめ
- 将来の拡張も見据えて、導入実績の多いCRMを選びたい人
- 小規模から始めて、ユーザーを無制限に追加していきたい人
- 営業だけでなく、マーケティングや顧客サポートまで一つのサービスで広げたい人
選ぶ前に確認したいこと
- 目的と人数を決める: 無料で始めたいならHubSpotとZoho CRM、営業の進捗管理を重視するならPipedrive、将来の拡張を重視するならSalesforceが向いています
- 無料プランの上限を確認: HubSpotは2ユーザー・1,000コンタクト、Zoho CRMは3ユーザーまでと上限があり、チームが増えると有料プランが必要になります
- 追加費用を確認: HubSpotのProfessional以上は1回限りの導入支援費、Salesforceは取引手数料、Pipedriveは一部機能がアドオンで別料金です。Zoho CRMは初期費用・オプション費用がないと案内されています
- AI機能が使えるプランを確認: ZohoのZiaはエンタープライズ以上、HubSpotの顧客対応AIエージェントはProfessional以上と、プランによって使えるAI機能が変わります
- 通貨と表示価格を確認: 日本語サイトでは、HubSpot・Zoho・Salesforceは円建て、Pipedriveは米ドル建てで表示されます。HubSpotはページによって表示価格が異なる場合もあります
よくある質問
Q. 無料プランだけでも使える? A. HubSpot(2ユーザー・1,000コンタクトまで)とZoho CRM(3ユーザーまで)には期限のない無料プランがあります。Pipedriveに無料プランはなく、14日間の無料トライアルがあります。
Q. 日本語で使える? A. 4ツールとも日本語の公式サイトがあります。Zoho CRMは日本語のUIと日本語のサポート窓口(スタンダード以上の有料プラン)、HubSpotは日本語のナレッジベースとコミュニティがあります。製品画面の日本語対応の範囲は、各公式サイトで確認してください。
Q. 個人事業主や少人数のチームで使うなら? A. まずは無料で始められるHubSpotの無料CRMやZoho CRMの無料プランで、顧客管理の流れを試す方法があります。人数が増えたときに、有料プランの料金を比べるとよいでしょう。
Q. AI機能はどれが使える? A. HubSpotはBreezeアシスタント(ベータ版)が無料ツールに含まれ、ZohoはZiaがエンタープライズ以上、PipedriveはNovaを標準搭載、SalesforceはターンキーAIを搭載と案内されています。AI機能の範囲は、プランや時期で変わる場合があります。
Q. 追加でかかる費用は? A. HubSpotのProfessional以上は導入支援費、Salesforceは取引手数料、Pipedriveは一部のアドオンが別料金です。契約前に、公式サイトで総額を確認してください。
まとめ
- HubSpot: 無料CRMから始めて、営業やサービスへ広げたいなら
- Zoho CRM: 低価格帯で幅広い機能を使いたいなら
- Pipedrive: 営業の進捗を見やすく管理したいなら
- Salesforce: 世界的に導入されているCRMを小規模から始めたいなら
まずは各ツールの無料プランや無料トライアルで、実際の使いやすさを確認してみてください。

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