テキストや画像から数秒〜数十秒の動画を自動生成する「動画生成AI」は、この1〜2年で急速に実用レベルへ近づきました。SNS用のショート動画、広告のティザー映像、企画のイメージ確認用のラフ動画など、用途はさまざまです。この記事では、代表的な動画生成AIツールの特徴・料金・向いている用途を比較します。
動画生成AIでできること・活用シーン
一口に「動画生成AI」といっても、できることはツールによって幅があります。代表的な活用シーンは次のとおりです。
- テキストから動画を生成(Text to Video): プロンプトを入力するだけで、数秒〜十数秒の動画を新規に作成する使い方です。SNS投稿用のショート動画や、企画段階のイメージ確認用ラフ映像によく使われます
- 画像から動画を生成(Image to Video): 手持ちの写真やイラストを1枚渡し、そこに動きを付ける使い方です。人物写真を軽く動かしたり、商品写真にちょっとした演出を加えたりする用途に向いています
- 動画の一部を差し替え・編集: 生成済みの動画の一部だけを別のものに置き換えたり、テイストを変えたりする機能を持つツールもあります
- リップシンク・音声合成との組み合わせ: 生成した映像に合わせて口の動きや音声を同期させる機能を持つツールもあり、簡易的なアバター動画・ナレーション動画の制作にも応用されています
いずれの用途でも、無料プランは生成できる本数やクレジットが少なく、透かしが入ることが多いため、実際の投稿・納品に使う場合は有料プランの検討が前提になります。
早見比較表
| Runway | Kling AI | Vidu AI | Luma AI | Google Veo(Gemini) | |
|---|---|---|---|---|---|
| 開発元 | Runway(米) | 快手(Kuaishou、中国) | Vidu AI(Shengshu Technology、中国) | Luma AI(米) | |
| 無料プラン | あり(125クレジット、1回限り) | あり(ログインで毎月クレジット付与、商用利用不可) | あり(月10件のリファレンス作成、動画生成はログインボーナス次第) | なし(有料プランのみ) | Gemini無料プランでは動画生成は非対応 |
| 最安有料プラン | Standard 月払い$15(年払いなら$12/月) | Standard 月払い$10(年払いなら月換算$6.6) | Standard 月払い$10(年払いなら$8/月) | Plus 月額$30(年払いなら$25/月) | Google AI Plus 月額$4.99〜 |
| 得意なこと | 高画質・編集機能の豊富さ | コストパフォーマンス | 2Dアニメ・スタイライズ表現 | 高精細な物理表現・カメラワーク | Gemini・Google Flowとの連携 |
※料金は2026年8月時点の情報です。プラン内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
Runway — 高画質と編集機能のバランスを重視するなら
Runwayは動画生成AIの中でも老舗にあたるツールで、生成だけでなく編集機能の豊富さに定評があります。無料プランでは125クレジット(1回限り)が付与され、お試し利用が可能です。有料プランはStandard(月払い$15、年払いなら$12/月・月625クレジット)、Pro(月払い$35、年払いなら$28/月・月2,250クレジット)、Max(月払い$95、年払いなら$76/月・月9,500クレジット)の3段階で、Standard以上では透かしなしで書き出せます。
Proプラン以上ではカスタムボイスによるリップシンクや音声合成にも対応しており、動画生成だけでなく編集・仕上げまで一つのツールで完結させたい人に向いています。
※料金は2026年8月時点の情報です。
こんな人におすすめ
- 生成した動画をそのまま編集・仕上げまで一つのツールで行いたい人
- 透かしなしの高画質な動画を書き出したい人
- 音声合成やリップシンクまで含めて動画を作りたい人
Kling AI — コストパフォーマンスを重視するなら
Kling AIは中国の快手(Kuaishou)が提供する動画生成AIです。会員登録前の無料利用ではクレジットが付与されず、生成コンテンツは商用利用不可という制限がありますが、ログインすれば毎月一定のクレジットを無料で獲得できます。有料プランはStandard(月払い$10、年払いなら$79.2/年・月換算$6.6)、Pro(月払い$37、年払いなら$293.04/年・月換算$24.42)、Premier(月払い$92、年払いなら$728.64/年・月換算$60.72)、Ultra(月払い$180、年払いなら$1,429.99/年・月換算$119.17)の4段階です。Standard以上で1080p/4K動画生成やブランドウォーターマークの除去、商用利用が可能になります。
上位プランほど毎月付与されるクレジット数(Standard 660〜Ultra 26,000)が増え、同時生成数の上限や専用の高速生成チャンネルも利用できるようになります。フリーランスや小規模な制作チームが、コストを抑えつつ本格的に使うための料金設計です。
※料金は2026年8月時点の情報です。
こんな人におすすめ
- コストを抑えつつ動画生成AIを本格的に使いたい人
- SNS投稿用の動画を透かしなし・商用利用可能な形で量産したい人
- フリーランス・小規模チームで高解像度(1080p/4K)生成を使いたい人
Vidu AI — 2Dアニメ・スタイライズ表現を重視するなら
Vidu AIは、中国・北京発のShengshu Technology(清華大学発スタートアップ、Baidu・Ant Group・Alibaba Cloudなどが出資)が開発する動画生成AIです。なめらかな2Dアニメ調の映像表現に強みを持ち、最大7枚までの参照画像でキャラクター・物体・環境の一貫性を保てる「複数参照」機能が特徴です。2026年1月公開の最新モデル「Vidu Q3」では、映像と音声(セリフ・効果音・音楽)を1回の生成で同時に作れるようになりました。
料金プランはFree(無料、月10件までのリファレンス作成が可能。動画生成自体は主に毎日のログインボーナスで得たクレジットの範囲で利用)、Standard(月払い$10・年払いなら$8/月、月間800クレジット=動画200本相当)、Premium(月払い$35・年払いなら$28/月、月間4,000クレジット=動画1,000本相当)、Ultimate(月払い$99・年払いなら$79/月、月間8,000クレジット・オフピーク時は1日最大200本まで生成可能)の4段階で、Standard以上で商用利用が可能です。
第三者レビューでは、アニメ・スタイライズされた映像の表現力が評価されている一方、写実的な人物の動き(表情・手の動きなど)はまだ得意ではないという指摘もあります。実写寄りの表現を求める場合は他のツールと使い分けるとよいでしょう。
※料金は2026年9月時点の情報です。USD建てで、日本からのアクセス時も米ドル表示であることを確認済みです。
こんな人におすすめ
- アニメ調・スタイライズされた映像を作りたい人
- 複数の参照画像でキャラクターや世界観の一貫性を保ちたい人
- 映像と音声をまとめて1回で生成したい人
Luma AI — 高精細な物理表現・カメラワークを重視するなら
Luma AIは、自然な物理法則の再現やカメラワークの滑らかさに強みを持つ動画生成AIです。他の動画生成AIと異なり無料プランは用意されておらず、Plus(月払い$30、年払いなら$25/月・月10,000クレジット)、Pro(月払い$90、年払いなら$75/月・月40,000クレジット)、Ultra(月払い$300、年払いなら$250/月・月150,000クレジット)という有料プランのみの構成です。いずれのプランも商用利用が可能です。
映像の物理的な自然さやカメラの動きのなめらかさを重視する、プロ用途・映像制作寄りの使い方に向いています。
※料金は2026年8月時点の情報です。
こんな人におすすめ
- 物理的に自然な動きやカメラワークを重視したい映像制作者
- 予算をかけてでも高品質な生成結果を求める人
- 本格的な映像制作の一工程としてAI動画生成を組み込みたい人
Google Veo(Gemini) — 普段使いのGeminiと一緒に始めるなら
Google Veoは、Geminiアプリや「Google Flow」というAIクリエイティブスタジオを通じて使える動画生成モデルです。無料プランでは動画生成は使えず、Google AI Plus(月額$4.99〜)から段階的に機能が広がります。Google AI Pro(月額$19.99)では「Veo 3.1 Lite」の限定トライアルが、Google AI Ultra(月額$99.99〜)では最上位モデル「Veo 3.1」による本格的な動画生成が利用できます。
すでにGeminiを契約している、あるいはこれから契約する予定がある人であれば、追加のツールを新たに契約せずに動画生成を試せるのが最大のメリットです。
※料金は2026年8月時点の情報です。
こんな人におすすめ
- すでにGoogle AI Pro/Ultraを契約している、または契約を検討している人
- 動画生成専用ツールを増やさずGeminiの中で完結させたい人
- Googleドキュメントなど他のGoogleサービスと一緒に使いたい人
番外編: Vrew(字幕自動生成型のAI動画編集)
ここまでの5ツールは「テキストや画像から新しく動画を生成する」タイプですが、すでに撮影した動画を編集する用途では、韓国VoyagerX社が提供する「Vrew」も日本のYouTuber・動画クリエイターの間で広く使われています。動画をアップロードすると自動で音声を文字起こしして字幕化し、台本(テキスト)を編集する感覚でカット編集ができるのが特徴です。
料金プランはFree・Light・Standard・Businessの4段階です。Freeは永年無料で毎月200クレジットが付与され、音声分析・ノイズ除去・AI音声・翻訳・AI画像・AI動画・AIキャラクターといった機能をクレジット消費で組み合わせて使えますが、書き出した動画にはVrewの透かしが入ります。有料プランはLight(月払い¥1,590、年払いなら¥15,200/年・月換算¥1,267)、Standard(月払い¥2,490、年払いなら¥23,900/年・月換算¥1,992)、Business(月払い¥4,490、年払いなら¥43,000/年・月換算¥3,583)で、Light以上で透かしが外れ、月間クレジット数(Free 200→Light 2,000→Standard 1万→Business 1.2万)とクラウドストレージ容量も段階的に増えます。
※料金は2026年8月時点の情報です。
こんな人におすすめ
- ゼロから動画を生成するのではなく、撮影済みの動画の編集を効率化したい人
- 字幕付きのYouTube・SNS動画を日常的に作っている人
- 文字起こし感覚で直感的に動画編集をしたい人
目的別のおすすめ
- 生成から編集・仕上げまで一つのツールで完結させたい → Runway
- コストを抑えて本格的に使いたい → Kling AI
- アニメ調・スタイライズされた映像を作りたい → Vidu AI
- 物理表現やカメラワークの自然さを重視したい → Luma AI
- すでにGeminiを使っている・追加ツールを増やしたくない → Google Veo(Gemini)
- 撮影済みの動画の編集を効率化したい → Vrew
選ぶ前に確認したいこと
- 無料プランで何ができるか: 無料プランのクレジット数・透かしの有無・商用利用可否はツールによって大きく異なります。まずは無料の範囲で生成品質を確認してから、有料プランを検討するのが失敗しにくい進め方です
- 月払いか年払いか: どのツールも年払いにすると月額換算で20%前後安くなる料金設定が一般的です。継続利用が決まっている場合は年払いを検討すると総額を抑えられます
- すでに契約しているサービスとの重複がないか: すでにGoogle AI Pro/Ultraを契約している場合、追加でツールを契約しなくてもGoogle Veoで動画生成を試せます。契約中のサービスに動画生成機能が含まれていないか、まず確認する価値があります
- 生成用途が「新規生成」か「編集」か: ゼロから動画を作りたいのか、すでに撮影した動画を編集・字幕化したいのかで、選ぶべきツールの系統が変わります(前者はRunway・Kling AI・Vidu AI・Luma AI・Veo、後者はVrewのような編集特化ツール)
よくある質問
Q. 生成した動画をそのまま仕事や商用サービスで使ってもいい? A. ツールごとに規約が異なります。多くのツールで無料プランは商用利用不可・透かしありとなっており、商用利用には有料プランへの加入が必要です。実在の人物や著作物に酷似した映像の生成・利用は、どのツールでも権利侵害のリスクがあるため避けるべきです。
Q. 動画生成AIは何秒くらいの動画を作れる? A. ツール・プランによって異なりますが、多くは数秒〜十数秒程度の短い動画を1回の生成単位とし、それを複数回生成してつなぎ合わせる使い方が一般的です。長尺の映像をワンショットで生成できるツールはまだ多くありません。
Q. 無料プランだけで使い続けられる? A. Runway・Kling AI・Vidu AIは無料プランがありますが、多くの場合クレジット数が少ない・ログインボーナス頼みといった制約があり、本格的な利用には有料プランが前提になります。Luma AIのように有料プランのみのツールもあります。
まとめ
動画生成AIは、編集機能まで含めて使いたいならRunway、コストパフォーマンスを重視するならKling AI、アニメ・スタイライズされた映像を作りたいならVidu AI、物理表現やカメラワークの自然さを求めるならLuma AI、すでにGeminiを使っているならGoogle Veoと、重視するポイントによって選び方が変わります。まずは各ツールの無料プランやトライアルで、実際の生成品質を確認してみてください。


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