「ナレーターを雇わずに動画に読み上げ音声を入れたい」「キャラクターボイスで配信・動画を彩りたい」——そんなニーズに応えるのが、AI音声合成(テキスト読み上げ)ツールです。テキストを入力するだけで、自然なイントネーションの音声を数秒で生成できます。
ひとくちにAI音声合成ツールといっても、声優・有名人の声を数多く使えるもの、完全無料でキャラクターボイスが使えるもの、海外発でボイスクローンや多言語対応に強いもの、買い切りでローカル動作するものなど、得意分野はツールごとに異なります。この記事では代表的なAI音声合成ツールを比較し、目的に合った選び方を紹介します。
AI音声合成ツールの活用シーン
AI音声合成ツールは、次のような場面で使われています。
- YouTube・SNS動画のナレーション: 台本を用意すれば、ナレーターを手配せずに動画へ読み上げ音声を追加したい場面で使われます
- VTuber・ゲーム実況のキャラクターボイス: 個性的なキャラクターボイスで、動画やコンテンツに彩りを加えたい場面に向いています
- 企業の音声ガイダンス・IVR: 案内放送や自動応答など、業務用のアナウンス音声を作りたい場面で活躍します
- オーディオブック・ポッドキャストの読み上げ: 長文の原稿を、自然なイントネーションで音声化したい場面で使われています
AI音声合成ツールでできること
一般的な音声合成ソフトと違い、AI音声合成ツールには次のような機能が備わっていることが多いです。
- テキストからの自動音声生成: 文章を入力するだけで、自然なイントネーションの読み上げ音声を数秒〜数分で生成します
- 豊富な話者・キャラクターボイス: 声優や有名人の声、オリジナルキャラクターの声など、多数の音声から選べる機能です
- 感情パラメータの調整: 喜怒哀楽などの感情表現を数値で細かく調整できる機能を持つツールもあります
- ボイスクローン: 自分の声や特定の音声サンプルから、AIがオリジナルの音声モデルを作成する機能です
無料プランでも基本的な音声生成は試せますが、商用利用の可否や生成できる文字数、話者数に制限があることが多く、本格的に使うなら有料プランへの加入が前提になります。
早見比較表
| CoeFont | VOICEVOX | ElevenLabs | Voicepeak | |
|---|---|---|---|---|
| 開発元 | 株式会社CoeFont(日本) | ヒホ氏(個人開発、日本) | ElevenLabs(米国) | AHS(日本、エンジンはDreamtonics製) |
| 料金体系 | 月額制(無料プランあり) | 完全無料 | 月額制(無料プランあり) | 買い切り |
| 無料での利用 | 非商用のみ、CoeFont通訳20分/月 | 完全無料・商用利用可(要クレジット表記) | 月10,000クレジットまで(商用ライセンスなし) | キャラクターごとに体験版あり |
| 最安有料プラン | Standard ¥3,300/月(税込) | ー(無料のみ) | Starter $6/月 | 商用利用込み6ナレーターセット ¥23,800(ダウンロード版、買い切り) |
| 得意なこと | 声優・有名人ボイスの豊富さ、ビジネス通訳機能 | 完全無料でキャラクターボイスが使える | 高精度なボイスクローン・多言語対応 | 買い切りでローカル動作、感情表現の細かい調整 |
※料金は2026年8月時点の情報、日本からのアクセス時の表示です。プラン内容は変更される場合があるため、最新の料金は必ず各公式サイトでご確認ください。CoeFont・VOICEVOX・Voicepeakは日本円建てです。ElevenLabsはドル建てのため、実際の請求額(円換算)は為替レートにより変動します。
CoeFont — 声優・有名人の声を多数使いたいなら
CoeFontは、東京の株式会社CoeFontが開発するクラウド型AI音声合成サービスです。声優や著名人など10,000種類以上のAI音声から選んで読み上げ音声を作れるほか、リアルタイムでの音声通訳機能「CoeFont通訳」も備えています。自分の声を録音してカスタムAI音声を作る機能もあります。
料金プランはFree(非商用利用向け、CoeFont通訳20分/月、AI音声生成800文字)、Standard(個人向け、¥3,300/月・税込、CoeFont通訳5時間/月、AI音声80,000文字・無制限プロジェクト)、Plus(小規模組織向け、¥55,000/月・税込、CoeFont通訳8時間/月、AI音声1,000,000文字・API連携可)、Enterprise(大規模組織向け、要問い合わせ)の4段階です。
※料金は2026年8月時点の情報です。日本からのアクセス時の日本円表示を確認済みです。
こんな人におすすめ
- 声優・有名人の声など、多数の話者から選んで使いたい人
- リアルタイム音声通訳の機能もあわせて使いたい人
- 自分の声からカスタムAI音声を作りたい人
VOICEVOX — 完全無料でキャラクターボイスを使いたいなら
VOICEVOXは、Dwango Media Villageのエンジニア・ヒホ氏が個人で開発・運営する、完全無料のテキスト読み上げソフトです。ずんだもんをはじめとする20種類以上のキャラクターボイスを、商用・非商用問わず無料で利用でき、Web版・デスクトップ版の両方が用意されています。文字ごとのイントネーション調整など、AIによる自然な抑揚づけにも対応しています。
料金は完全無料です。商用・非商用を問わず、各キャラクターの利用規約に従ったクレジット表記を行えば無償で利用できます。API利用には別途申請が必要です。
※料金は2026年8月時点の情報です。
こんな人におすすめ
- コストをかけずにキャラクターボイスを使いたい人
- VTuber・ゲーム実況・動画投稿でずんだもん等の人気キャラクターボイスを使いたい人
- 商用利用も含めて無料の範囲でまかないたい人
ElevenLabs — 高精度なボイスクローン・多言語対応を求めるなら
ElevenLabsは、米国ニューヨーク発のAI音声合成プラットフォームです。人間に近い自然なイントネーションと、自分の声を数十秒の音声サンプルから再現できるボイスクローン機能が特徴で、テキスト読み上げだけでなく音声からテキストへの変換、効果音生成、自動吹き替えなど幅広い機能を備えています。多言語対応にも強く、海外向けコンテンツを作りたい場合にも向いています。
料金プランはFree($0/月、月10,000クレジット、商用利用不可)、Starter($6/月、商用ライセンス・インスタントボイスクローンが解放)、Creator($22/月・初月のみ50%オフの$11、プロフェッショナルボイスクローン、月121,000クレジット)、Pro($99/月、44.1kHz高音質出力、月600,000クレジット)の4段階で、法人向けのScale・Business・Enterpriseプランも用意されています。
※料金は2026年8月時点の情報です。ドル建てのため、実際の請求額(円換算)は為替レートにより変動します。
こんな人におすすめ
- 自分や特定の声をクローンして音声コンテンツを作りたい人
- 多言語対応のナレーション・自動吹き替えを使いたい人
- テキスト読み上げ以外にも効果音生成など幅広い機能を使いたい人
Voicepeak — 買い切りでローカル動作させたいなら
Voicepeakは、AHSが販売するAI音声合成ソフトです。Dreamtonics社製の音声合成エンジン「Syllaflow」を搭載し、感情パラメータを数値で細かく調整して喜怒哀楽を表現できるのが特徴です。クラウド型の他ツールと異なり、購入後はローカル環境(Windows・macOS・Linux)で動作するため、機密情報を扱う用途にも向いています。
料金は買い切り制で、キャラクターごとに個別販売されているほか、商用利用の権利が含まれた「VOICEPEAK 商用可能 6ナレーターセット」はダウンロード版¥23,800(税込)、パッケージ版¥29,800(税込)で販売されています。個別キャラクターの音声を商用利用する場合は、別途1製品ごとに¥55,000(税込・永年)の商用ライセンスが必要です。
※料金は2026年8月時点の情報です。日本からのアクセス時の日本円表示を確認済みです。
こんな人におすすめ
- 買い切りで、月額課金を避けたい人
- 感情表現を細かく調整してナレーションの品質を高めたい人
- 機密性の高い原稿を扱うため、クラウドではなくローカル環境で処理したい人
選ぶ前に確認したいこと
- 無料の範囲で足りるか: コストをかけずに使いたいなら、完全無料で商用利用も可能なVOICEVOXが最有力です
- 話者・キャラクターの豊富さを重視するか: 声優・有名人の声を多数使い分けたいなら、CoeFontの10,000種類以上のラインナップが有力です
- 自分の声を再現したいか: ボイスクローンで自分や特定の声を再現したいなら、ElevenLabsが専門的です
- クラウドかローカルか: 機密情報を扱う原稿など、外部サーバーに音声データを送りたくない場合は、ローカル動作するVoicepeakが適しています
- 月額課金か買い切りか: 継続的に使う予定があるなら、Voicepeakのような買い切り型がコストを抑えやすいことがあります
- 動画・プレゼン制作とあわせて使うか: 生成した音声を動画に組み込みたい場合はAI動画編集ツール比較、アバターに読み上げさせたい場合はAIアバター動画・プレゼン動画生成ツール比較もあわせて確認してみてください
よくある質問
Q. 無料プランだけで使い続けられる? A. VOICEVOXは完全無料で商用利用も可能です。CoeFont・ElevenLabsにも無料プランがありますが、非商用限定だったり、生成できる文字数・クレジットに制限があるため、継続的に本格利用するなら有料プランへの切り替えを検討することになります。
Q. 生成した音声は商用利用できる? A. VOICEVOXはキャラクターごとの利用規約に沿ったクレジット表記をすれば商用利用可能です。CoeFontはStandard以上の有料プランで商用利用ができます。ElevenLabsはStarter以上のプランで商用ライセンスが付与されます。Voicepeakは個別キャラクターの商用利用に別途ライセンスが必要な場合があるため、購入前に各キャラクターの利用規約を確認しましょう。
Q. 日本語の自然さを重視するならどれがいい? A. CoeFont・VOICEVOX・Voicepeakはいずれも日本語に特化して開発されており、固有名詞のアクセント処理などで安定した品質が期待できます。ElevenLabsも日本語に対応していますが、海外発のツールのため、日本語のイントネーションでは国産ツールにやや分があるという声もあります。
Q. 自分の声を音声合成に使いたい場合は? A. CoeFontはWeb録音から自分の声でカスタムAI音声を作成できます。ElevenLabsのインスタントボイスクローン機能も、数十秒の音声サンプルから声を再現できます。
Q. クラウド版とローカル版、どちらが安心? A. CoeFont・VOICEVOX・ElevenLabsはクラウド(Web)で音声を生成するため、原稿をサーバーに送信する形になります。社外秘の原稿など、外部にデータを送りたくない場合は、ローカル環境で完結するVoicepeakが安心です。
まとめ
- CoeFont: 声優・有名人の声を多数使いたいなら
- VOICEVOX: 完全無料でキャラクターボイスを使いたいなら
- ElevenLabs: 高精度なボイスクローン・多言語対応を求めるなら
- Voicepeak: 買い切りでローカル動作させたいなら
まずは各ツールの無料プラン・体験版で、実際の音声品質や操作感を確認してみてください。


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